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 母犬から生まれたばかりの子犬の鼻は利きますが、目は見えず、耳も聞こえません。

子犬にとって生きていくのにもっとも必要な母犬は、まず、においで存在するのです。

ゴールデン


 人問の赤ちゃんもほかの人と自分の母親をにおいで区別できますが、人間にとって嗅覚はいちばん重要な感覚ではありません。

「百聞は一見にしかず」というように、人間にとっては見ることが信じることです。

シーサー・ミランという名前の男はリードもなしに40匹の犬を制御できると聞かされても、実際にそのようすを見るまでは信じないでしょう。

 ところが犬とっては、においを嗅ぐことが信じることなのです。

犬はにおいを嗅がなければそれが何かのかを理解できません。

 人間の鼻には500万個の嗅覚紬胞がありますが、平均的な成犬には約2億2千万個もあります。

実際、追跡犬や死体捜索犬の訓練士は、犬には高性能の科学的な装置を用いても探知できないにおいを嗅ぎ分ける能力があると言います。

 子犬はにおいとエネルギーに導かれ、その姿かたちさえ知らないうちから、世話をしてくれる母犬にもぞもぞと近づいていき、触覚を経験します。

生後およそ15日になるうかというころ目が見えるようになり、視覚を通して世界を見るようになります。

生後20日ごろには耳が機能しはじめます。

 ところが、わたしがち人間は、まるで自分たちの言葉を犬が理解しているかのように話しかけたり、命令したりしていますね。

 鼻、目、耳。

 これが犬にとっての感覚の自然な順番なのです。

つまり生き抜いていくための基本的な道具を聞発しはじめるところから、犬はわたしたち人間とはまったく違う方法でこの世界を経験しているのです。

 誕生という経験でさえ、人間と犬とではかなり違っています。犬のお産では、母大の穏やかで毅然としたエネルギーが満ちています。

一方、人間の典型的な出産シーンを考えてみてください。

夫が待合室でそわそわ行ったり来たりしていたり、分娩中の妻に「吸って、睦いて!」と必死に声をかけたり、大量出血に気を失ったりしますね。

来るべきお産に備えてあらゆるリハーサルをするものの、いざそのときが来ると動揺のあまり、それまでの準備があまり役立たないこともあります。

 一般に人間の両親にとって出産はとても緊張する体験です。

しかし、自然の環境のなかでは、母大にとって陣痛は恐ろしいものではありませんし、医師も看護師も助産師も、励ましてくれるラマーズ法のコーチも必要としません。

母大は独力で巣づくりをし、自分だけでお産をやり遂げ、そのあと縄張り行動を示します。

生まれたばかりの子犬をクローゼットやベッドの下などに連れていき、そこで胎盤をきれいにはがしてやったり、お乳を与えはじめるのを見たことはありますか?

出産は母大にとってはプライベートな経験なのです。

 それにひきかえ人間の場合、一族郎党が分娩室へとやってきます。

おばあちゃん、おじいちゃん、いとこたちまで。

おまけにビデオカメラが回り、花や風船が届いたりします。

あたかも赤ちゃんを囲むパーティです。

人間と犬の違いは、命が始まるまさにそのときにあります。

 ある子犬の初期の発達段階を例にして、心のなかをのでいてみましょう。

子犬は母犬の姿がそばに見えなかったら探し、自力で母犬のところに行かねばなりません。

母犬から子犬のほうには行きません。

やがて子犬がお乳をもらおうと近づいていくと、ときおり母犬は子犬から離れたり、近寄ってきたわが子を押しもどすことさえあります。

 自然界ではこのようにしてしつけと自然淘汰が始まります。

弱い子犬はきょうだいたちとのお乳の競争に勝てません。

たとえきょうだいのなかの一匹か弱い子でも、母犬はその子に気配りしようとはしません。

その結果、死んでしまう場合もあるでしょう。

 まさにこの点が人間と犬とのたいへん大きな違いなのです。

人間は働物のなかで唯一弱い子どもに特別な世話をする種です。

犬の世界には新生児集中治療処置室はありません。

母犬は群れのため、後世のために子犬の世話をします。

周囲についていけない弱い子犬は群れの足手まといになるだけでなく、将来的に弱い遺伝子を持つ子がさらに増えることになります。

厳しい話ですが、自然界では弱い者は早々に淘汰されるのです。

 また、子犬は忍耐を学びます。

犬の食べものは宅配便のトラックが届けてくれるわけではありません。

子犬は母親が住処に戻り、食べさせてくれるのを待たねばならないのです。

そして、生き抜くためにきょうだいたちと食べものを奪い合うのです。

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*このトピックは、シーザー・ミラン著「あなたの犬はしあわせですか」
という本をピックアップして、お伝えしています。
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→そらぱぱのドッグフードと子犬の流通の研究
 「あなたの与えているフードは本当に安心ですか?」


→ワンちゃんのための健康応援隊できました!

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