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2007.01.29
犬はどこまで言葉を聞きわけるか
「チャック」の愛称で知られるチャールズは、もとはプロ野球の選手でしたが、
何度か職業を変えたのち、犬の訓練士になりました。
彼のロンドとその息子達の4頭の犬たちは
数多くのハリウッド映画に出演しました。
どの犬もきわめて優秀だと評判でした。
チャックは、自分の犬たちは数百語の言葉を理解し、
8歳児に相当する言語理解力があると言っていました。
何度か職業を変えたのち、犬の訓練士になりました。
彼のロンドとその息子達の4頭の犬たちは
数多くのハリウッド映画に出演しました。
どの犬もきわめて優秀だと評判でした。
チャックは、自分の犬たちは数百語の言葉を理解し、
8歳児に相当する言語理解力があると言っていました。
私が見たデモンストレーションは、地方テレビ局がお膳立てしたもので、
あとで放映するために撮影と録音がおこなわれました。
チャックが四頭の犬を紹介し、だいたいどの犬も、ただ日常的なしつけとして、たとえば「伏せ」と言われたら地面に伏せ、「来い」と言われたらこちらに来るように訓練されただけだと説明しました。
犬たちは基本的に、
聞いた音をたんに行動に結びつけているにすぎません。
犬の訓練にあたっては
「知的メソッド」と自ら命名した方法を使ったといいます。
この方法の要は、
人間が話す言葉の基本的要素を犬に考えさせ、学ばせることです。
その指導法は、私たちが子供に言葉を教える場合に似ていました。
ひとつの単語をひとつの行動や概念と結びつけるのではなく、使われる言葉も設定もさまざまに変えながら犬に同じ問題をあたえたのです。
この訓練の成果として、「伏せ」と言われても、「どうぞ床に寝そべってください」あるいは「うつぶせの姿勢をとって」と言われても、同じ反応をすることが披露されました。
四頭はたしかに優秀な言語理解力をもっていました。
チャックが自然な会話調で、ごくふつうの言葉を使って話しかけても、
犬たちは言われたことをすべて理解しました。
ドアを開けたり閉めたり、
電灯のスイッチを入れたり切ったり、その他何でもやってのけました。
いくつか物が並んでいる中から、ご主人が指定した品物を選び出す犬たちの能力に、感心したのを億えています。
ですが、私の中にわずかに疑問が湧いたのは、
チャックが犬たちはフランス語で話しかけてもドイツ語で話しかけても、同じように理解すると言ったときでした。
会場からだれかが「では、スペイン語は?」と質問しました。
チャックは笞えました。
「スペイン語を理解するかどうか、私にはわかりません。
でも、やってみましょう。スペイン語でかんかんな命令を言ってください」
スペイン語で「セラ・ラ・プエルタ」が「ドアを閉めなさい」の意味だと言われ、彼は犬のほうに向き直って「ロンド、セラ・ラ・プエルタ!」と声をかけました。
ロンドは立ち上がり、少しばかりためらいがちにではありましたが、
ドアのほうに歩いて行きました。
そしてご主人を振り返り、
なかば開いていたドアを前足で押して完全に閉めました。
会場がどよめき、歓声が湧きました。
この場面に私はまったく頭を抱えてしまいました。
たしかに訓練しだいで、
犬はふつうの人が考える以上に多くの言葉を理解できるようになります。
また、人間とほぼ同じように、
いくつかの言語で命令や言葉を学べることも事実です。
だが、初めての言語で初めての言葉を学び、
理解したと確認できるまでには時間がかかります。
たとえば、私が「犬」は英語で「ドッグ」、ドイツ語で「フント」、フランス語で「シアン」だと知っていたとしても、スペイン語で「ペ口」と言われて犬のことだとすぐにわかるわけではありません。
訳してもらわなければ、言葉の意味はわかりません。
ではなぜ、犬のロンドが初めて耳にした言葉を理解したのでしょう。
彼の飼い主がその言語を知らず、それまで彼に教えてもいなかった言葉を・・・。
疑問をもつのは私の習性です。
そしていったん疑問をもつと、
信じたいとは思いつつ、すべてを額面どおりには受けとれなくなりました。
私の心に注意信号が点滅し、
状況をいささか懐疑的な目で眺め始めました。
その後も私の疑念はふくらむばかりでした。
そればかりでなく、チャックは司会者に、犬は色が見分けられないと考えられているが、そうでないことを自分が証明できると言いました。
つづく
------------------------------------------------------
*今日の日記は「スタンレー・コレン著 犬語の話し方」という
かなり難解な本を分かりやすくして、お伝えしています。
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あとで放映するために撮影と録音がおこなわれました。
チャックが四頭の犬を紹介し、だいたいどの犬も、ただ日常的なしつけとして、たとえば「伏せ」と言われたら地面に伏せ、「来い」と言われたらこちらに来るように訓練されただけだと説明しました。
犬たちは基本的に、
聞いた音をたんに行動に結びつけているにすぎません。
犬の訓練にあたっては
「知的メソッド」と自ら命名した方法を使ったといいます。
この方法の要は、
人間が話す言葉の基本的要素を犬に考えさせ、学ばせることです。
その指導法は、私たちが子供に言葉を教える場合に似ていました。
ひとつの単語をひとつの行動や概念と結びつけるのではなく、使われる言葉も設定もさまざまに変えながら犬に同じ問題をあたえたのです。
この訓練の成果として、「伏せ」と言われても、「どうぞ床に寝そべってください」あるいは「うつぶせの姿勢をとって」と言われても、同じ反応をすることが披露されました。
四頭はたしかに優秀な言語理解力をもっていました。
チャックが自然な会話調で、ごくふつうの言葉を使って話しかけても、
犬たちは言われたことをすべて理解しました。
ドアを開けたり閉めたり、
電灯のスイッチを入れたり切ったり、その他何でもやってのけました。
いくつか物が並んでいる中から、ご主人が指定した品物を選び出す犬たちの能力に、感心したのを億えています。
ですが、私の中にわずかに疑問が湧いたのは、
チャックが犬たちはフランス語で話しかけてもドイツ語で話しかけても、同じように理解すると言ったときでした。
会場からだれかが「では、スペイン語は?」と質問しました。
チャックは笞えました。
「スペイン語を理解するかどうか、私にはわかりません。
でも、やってみましょう。スペイン語でかんかんな命令を言ってください」
スペイン語で「セラ・ラ・プエルタ」が「ドアを閉めなさい」の意味だと言われ、彼は犬のほうに向き直って「ロンド、セラ・ラ・プエルタ!」と声をかけました。
ロンドは立ち上がり、少しばかりためらいがちにではありましたが、
ドアのほうに歩いて行きました。
そしてご主人を振り返り、
なかば開いていたドアを前足で押して完全に閉めました。
会場がどよめき、歓声が湧きました。
この場面に私はまったく頭を抱えてしまいました。
たしかに訓練しだいで、
犬はふつうの人が考える以上に多くの言葉を理解できるようになります。
また、人間とほぼ同じように、
いくつかの言語で命令や言葉を学べることも事実です。
だが、初めての言語で初めての言葉を学び、
理解したと確認できるまでには時間がかかります。
たとえば、私が「犬」は英語で「ドッグ」、ドイツ語で「フント」、フランス語で「シアン」だと知っていたとしても、スペイン語で「ペ口」と言われて犬のことだとすぐにわかるわけではありません。
訳してもらわなければ、言葉の意味はわかりません。
ではなぜ、犬のロンドが初めて耳にした言葉を理解したのでしょう。
彼の飼い主がその言語を知らず、それまで彼に教えてもいなかった言葉を・・・。
疑問をもつのは私の習性です。
そしていったん疑問をもつと、
信じたいとは思いつつ、すべてを額面どおりには受けとれなくなりました。
私の心に注意信号が点滅し、
状況をいささか懐疑的な目で眺め始めました。
その後も私の疑念はふくらむばかりでした。
そればかりでなく、チャックは司会者に、犬は色が見分けられないと考えられているが、そうでないことを自分が証明できると言いました。
つづく
------------------------------------------------------
*今日の日記は「スタンレー・コレン著 犬語の話し方」という
かなり難解な本を分かりやすくして、お伝えしています。
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なつまま
私もこの話には???な部分が多いです。
たとえば、言葉だけでなく指符(手話のような事)でやっていたとか?
私もナッツに「すわれ」と言葉で言う場合と、手だけで座れを合図する時があります。
言葉が「むにゃむにゃ」であっても見える手の指示が座れであれば座ります。
全く初めて聞いた言葉だけで理解できる犬がいるとしたら目力かなぁ~(笑)
たとえば、言葉だけでなく指符(手話のような事)でやっていたとか?
私もナッツに「すわれ」と言葉で言う場合と、手だけで座れを合図する時があります。
言葉が「むにゃむにゃ」であっても見える手の指示が座れであれば座ります。
全く初めて聞いた言葉だけで理解できる犬がいるとしたら目力かなぁ~(笑)
2007/01/29 Mon 17:44 URL [ Edit ]
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